陰獣  江戸川乱歩ベストセレクション4 (角川ホラー文庫)

江戸川 乱歩

Publisher: 角川グループパブリッシング (Nov 22, 2008)
List Price: ¥ 540

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真夏の夜のユメ Jul 14, 2009
何の気なしに買ってきて、読み始めたら止まらずに、気がついたら夜も更けていた…。表題作はもちろんだが、同時収録の「蟲」はこれまで読んだ乱歩作品の中で最も惹きこまれた。厭人病の主人公が、初恋の相手に恋焦がれながら裏切られ、憎みながらも忘れられず、ついにはその手にかけてしまう。しかし物語はそれで終わらず、どうしようもない狂気の迷路へと主人公は堕ちてゆく。狂気に到るまでの描写が恐ろしいほどリアルで一文字たりとも目が離せなかった。江戸川乱歩は畏ろしい人だ。この人は狂気を識っているのだ。
「えっ」というのが最初の感想でした Apr 01, 2009
そこで終わるの? と思いましたね。まだ犯人はっきりと分かってないのに。事件は結局、誰の仕業だったのか。分からないまま幕引きに。
 
 最初に読み終わったときはなんだかイライラしました。今まで散々推理が二転三転しておいて読者に答えを与えないまま終わるなんて。不安だけが残って、どうにもすっきりしない。
 おかげで何度も読み返す始末。トリックを見落としたかな、伏線を拾い忘れたかなと何度も読んでしまう。
 それこそが作者の罠だと気付いたころにはすっかり物語世界から抜けられなくなっているという。

 いつの間にかイライラが感嘆にすり替わっているのがすごいです。さすがとしか言いようがない。安直な答えを与えてくれないのが憎いけど、とても印象深い演出です。世にあふれる推理小説の一つだと思って読むと痛い目に遭いますね。もちろん、読書好きには嬉しい痛さですが。

 とはいえ、全然堅苦しくもなく、読みにくくもないのが江戸川乱歩の魅力だと思います。始まりの一文を読めば最後まで読みたくなる。気付けば、どんなふうに驚かせてくれるのかワクワクしながら読んでいる。改めて言うまでもないことだけど、本当にすごい書き手です。

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